弊社では土地活用のコンサルティングやコスト削減の提案、土地建物の鑑定評価などを行いますが、不動産仲介業ももちろん行っています。

仲介を行っていて常に感じることは「情報格差」ですね。

売る人と買う人・貸す人と借りる人・消費者と業者・アマとプロ

いろんな当事者間で「知っていること・知らないこと」の情報格差がありますが、反復継続して接することのない不動産について、初めてのかたがご自宅などを売却するときほど情報格差を感じることはないと思います。

なぜこのような情報格差が生まれるのでしょうか。

私はネット情報の限界がその一因にあると思っています。

Amazonやコミュニティサイトなど、いろんなところで「商品」「サービス」について購入談話や経験を語られていると思います。

マンションについては仕様が画一的ですし1Fも最上階も景色やエレベータ頻度以外はほぼ条件が同じですので経験談が通用します。

でも一戸建てや土地などは「駅距離」「面積」「傾斜」「地盤」「権利」「隣人」「方角」「日照」「騒音」「境界」「価格」「築年」「構造」「階高」「デザイン」「容積率」「建蔽率」「斜線制限」「地縁」「におい」「雰囲気」などなど、

1つ1つの個別性が強く、情報が流通しにくく、1つ1つを消費者側が判断しなくてはなりません。

したがってやはり

「この物件は悪いのかなぁ?」

「価格は安いのかなぁ?」

と疑問に思わざるをえません。

このような不動産の「情報格差」の解消というものがとても大事だと常々思っています。

また、いつも誰もがそういうわけではないですが、心ない不動産仲介会社はこの情報格差を「へへ、ラッキー」と思うことがしばしばあると思います。

あるいは知らず知らずのうちに「ラッキー」を商売にしている方もいるでしょう。

「この土地は傾斜地だから20%は安くなってしまいますよ」と言われたら、売る側は「あーそうなのかぁ」と思わざるをえないかもしれません。

ほんとは10%減で済むにも関わらずです。

安く売れるということは早く買い手がつくことになります。

こんなとき仲介会社は「へへ」と思ったりします。

弊社が「情報格差の解消」を経営理念としておいているのは個人の方にとって資産価値は一生を左右するようなとても大切なものだからです。

不動産鑑定士としての「正当な価値」を指摘する任務もあります。

鑑定士の看板がありますので、売却のお仕事の場合には「へへ」と思うことができない立場にあります。

もしもご自分で「10%減」なのか「20%減」なのか判断できないときには、1社だけでなく複数社に価格感を聞くこと。

とても大事に思います。

自分で目を見開いてコトの真実をつかみにいきましょう。