不動産を売却したい会社にとって、

「どうしても売ってくださらないと困るんです」

というセリフは、またとないチャンスです。

そんなことがあるんでしょうか?

実は稀にあるんですね。

いくつかあるパターンのうちの一つに地上げ案件があります。

あたり一体をまとめて地上げしたい、

買収したいという話が都心では結構あります。

いわゆるデベロッパーと呼ばれる開発事業者は、

タネ地という最初に手に入れる土地を手に入れます。

タネ地を皮切りに、周りの地続きの土地を順番に買い進めていこうとします。

一つ飛ばしてその先を手に入れることもあります。

そのうちまとまって大きくなればなるほど

整ったキレイな形に仕上げていきたくなります。

結果として「どうしても手に入れないといけない土地」が生まれます。

500坪以上ある土地のど真ん中にある土地で、

そこがないと計画建物が口の字になってしまうような例がそれです。

そんなとき、当然ながら

「売ってくださらないと困るんです」

というセリフが出てきます。

そんなときに売るチャンスがあるなら

言い方が悪いですが「足元を見ましょう」とアドバイスします。

法外なことを要求するのではありません。

それだけの対価を支払っても

買い手には採算が合うので相場を超えても仕入れる必要があり、

取引が成立するわけです。

でも彼ら開発事業者は百戦錬磨です。

こんな地上げ交渉を毎日やっています。

かたや売りたいほうはほとんどが初めてです。

ぜひとも交渉するときには

不動産コンサルタントなどの手練を味方につけて

足元を見た売却活動をしたいものです。

味方につけることができれば、

「(取引の相手方は)こう考えてるはず」

とか

「まだ懐はありそうだ」

など、いろんなことを探って値上げできる幅にあたりをつけてくれます。

餅は餅やです。

専門家を味方につけて、

売主側の仲介や、売主代理に据えるとよいと思います。