ホームを選んだかたが考えていたこととは
何でしょうか?
それには、本人やご家族の「前提」や「環境」が
知らず知らずのうちにてとても大きく影響しています。
「前提」や「環境」を4つほどピックアップしてみましょう。
①本人と家族のどちらが選んだか
②お金に余裕があって選べたか
③時間に余裕があって選べたか
④心に余裕があって選べたか
などがあります。
順番に見ていきたいと思います。
①本人と家族のどちらが選んだか
本人が判断できる環境にあるかたとそのご家族はとても幸せです。
お金や時間に余裕がなかったとしても
本人がその意思をもって
今後の生活の拠点を選ぶわけですので、
家族も本人も
「間違ったことはしていない」
という気持ちになれます。
でも認知症になってしまっていたり
寝たきりのために自ら見学して回れないことは
とてもよくあることです。
当社の見学案内のうち
約8割が家族のみのご見学であり
ご本人は来られないです。
本人が選べる場合であっても
もちろんわがままを言ったりこだわりを言うことで
家族が振り回されたりします。
でも家族にとっては
本人の「ついの住み家」になるかもしれない場所を
選ぶことがほとんどですので、
ぜひおおらかな心で
本人に選ばせてあげてほしいと思います。
以下の3つはご家族が選ぶ場合を前提としています。
②お金に余裕があるかどうか
お金も施設選びには大きな影響を及ぼします。
ご家族は
本人の年金が十分でなかったり
経済的に支援ができない場合には、
遠いところの施設に住んでもらわないといけないことがあります。
先日ご紹介したお客様は
年金が足りなかったので
世田谷区から茨城県のホームに
お引越しをされました。
それでも本人のことを気にかけるご家族は
月に1回でも2回でも
顔を見に行かれます。
在宅での介護の限界を感じたために
外部の施設にお世話になるわけです。
その代わりに
自分たちの比較的おだやかな日常生活が戻りますので
たまに会いに行く程度のことは許せるものです。
でも親子や叔父叔母との関係が良好とは限らないです。
そのようなご家族の場合
割り切ったホーム探しをすることになります。
淡々としたものです。
それもまた現実です。
疎遠な親族のホーム探しにおいては
多少の割高感などは気にしない方もわりといらっしゃいます。
③時間に余裕があって選べたか
時間に余裕なく施設を探される方も結構多いです。
・病院から退院したが自宅では引き取れず、
病院からせっつかれて施設を探す場合
・老人保健施設から期限を切られて
施設を探す場合
・認知症の症状の悪化で在宅では家族が手をつけられず
緊急避難的に施設を探す場合
などがあります。
予算に収まることは必要ですが、
ベストの施設が満室であることもあり
立地や雰囲気などの判断では妥協に至る場合が時々あります。
ベストではないですが
2番目に良い施設に入れたなら
「納得するしかないかな」という感情のご家族も
よく見受けられます。
時間がないことは選択の幅を大いに狭められてしまいます。
でもやはり急ぐしかありません。
ミスマッチが起きた場合には
もう一度ほかの施設を探すことも
選択肢の1つになります。
このような時間がない場合には、
割高についてしまいますが
「ショートステイ」として候補の施設に入居をしてみるというのも
良好な判断の1つになります。
④心に余裕があって選べたか
心に余裕があって選べたかどうかは
ご家族の介護の心情や窮状が色濃く
現れてきます。
典型的な例は、
③にもありましたが、
認知症状により家族が在宅での介護に
限界を感じて探す場合です。
私がお聞きした例では、
「本人のために少しでもいい施設を」という心理を通り越して、
「1日でも早く周りの家族全員を救う方法を」
という心理で、
「ショートステイだからまた家に帰れるよ」と伝えたり
「家に近いところだから」と本人を説得し、
家族主導で
なんとか施設に「ほおりこんだ」といったお話がありました。
聞いていてとても心苦しいお話でした。
やはりこれも現実だと思います。
きれいごとばかりではなく、家族が直面する厳しい現実があります。
これを乗り越えて、
本人が尊厳ある生活を送ることができて、
家族も平穏な生活を取り戻せれば、
ホーム探しはいったん成功と言えるのではないでしょうか。
いかがでしょうか。
自分たちの状況を客観的にとらえるのは難しいので、
私たちのような第三者に聞いてみるのも一つの手です。
相談や見学はいつでも無料で承ります。
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