ホームに入居するときのお金の支払い方法ですが、
契約や入居の際にまとまった一時金を入れるタイプと、
敷金程度のみを入れる月額払いタイプがあります。
選ぶことができる場合、どちらを選ぶのがよいのでしょうか?
1.入居一時金払い
2.月額払い
それぞれの特徴を確認してみましょう。
1.入居一時金払い
まとまった一時金というのは、入居される方の年齢によって施設側が決めている
「想定入居期間」の家賃分のまとめ払いを意味しています。
具体的な例で確認します。
もしも一時金の支払いがなくて月々に支払う利用料が、30万円だったとします。
その内訳は、
家賃 15万円
管理費 5万円
食材費 6万円
上乗せ介護費 4万円
だったとします。
このうち、家賃の15万円の5年間分(60ヶ月)をまとめて支払えるとします。
そうすると、月々の利用料の支払いは、30-15=15万円となります。
このように、家賃の部分についてだけ先にまとめ払いができるというのが
入居一時金の仕組みになります。
では、5年経過以降も住むことになった場合、
6年目以降の家賃の支払いが必要になりそうですがどうなのでしょうか?
これは実はほとんどの場合、払わなくても良いということになります。
その理由ですが、入居する方が家賃総額を5年間分を支払うのか、
あるいは7年間分などを支払うのかは、
施設側が決める「想定入居期間」に基づきます。
この期間は入居する方の年齢によって変わります。
入居するときの年齢が若いほど長くお住まいになることが一般的ですので、
若い方ほどまとめ払いする額が大きくなります。
また、90歳からの入居などですとなかなか長居はできないと施設側は考えますので、
想定入居期間が短くなり、まとめ払い額も小さくなります。
施設側から考えると、まとめて前払いとして家賃を支払っていただけるということは
入居者から金利ゼロでまとまった資金を貸していただけることになるので
運営がしやすくなるメリットがあります。
また、想定入居期間は実績と経験に基づいて設定がされており、
もちろん想定入居期間より長くお住まいになる方もいますが、
平均・トータルでは損をしないように計算がされています。
したがって、制度としては、想定入居期間を越えてしまえば、
家賃に相当する額の支払いは無くなってしまいます。
これは実は入居者側のとても大きなメリットです。
比較的健康な方や重い疾患のない方、長寿家系のかたなどは
長生きすることは経済的にはリスクである一方で、
このように制度をうまく利用することで得ができるとも言うことができます。
一方、不謹慎な話題ですが、あまりこの先長くはないと思われる場合には
一時金払いは選択しないほうが良いかもしれません。
まとまった資金が必要になるうえ、
退去の時には支払った一時金の何割かは
無条件に収入として計上されてしまう(償却されてしまう)場合があるからです。
2.月額払い
月額払いは文字通り、必要な分だけ月々利用料を支払う制度です。
上記の例で言えば毎月30万円を支払っていくというものです。
最初にまとまった資金がいらない一方、「想定入居期間」という発想がないので
あとから家賃分だけ得をするということにもならないです。
また、一時金の代わりに比較的少額の「敷金」を預ける場合が多いです。
これは退去するときにはクリーニング費用や未払いの費用を差し引いて
返金がされます。
通常のアパートやマンションを借りて退去するときと同じです。
メリットとしては、入居したけれどもあまり雰囲気が良くなかったとか、
他に移りたい、家に帰りたい、といった場合に、
一時金の償却のような損をすることがありませんので、
試しに住んでみるとか家庭の事情でまた移動することが予想される場合などには
むしろ月額払いのほうが無難・安全になります。
このように各ご家族の事情や経済的な観点から
2つのどちらかを選んでいただくことが多いです。
それぞれのメリット・デメリットをよく把握のうえ
検討いただきたく思います。
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