先日、とある老人ホームにご紹介をしたご夫婦がおりました。
入居いただいたのが二週間前でしたが、
別のお客様の案内で久しぶりにお会いしたら、
私の顔を見て急に涙を流されました。
いったいどうしたんだろうと思いました。
こちらのご夫婦は、足の怪我で昨年末に手術を受け
リハビリ系の病院で退院を予定していた奥様と、
かなり認知症の症状が進み、
かろうじて生活できるものの家を出たら迷子になってしまうご主人でした。
ご主人のことは長女や孫が入れ替わり面倒を見てましたが、
奥様は退院したとしても「私はもう主人の面倒は見れない」といって、
ご主人とは別になっても奥様はホームに入ると決めていました。
でもご主人はホームに行きたくないと言っていたため、
二人揃って同じホームに入りたいというご要望でした。
奥様と長女様を案内し、その後もご主人と長女様が見学し、
ご入居を決められました。
ご主人が入居できるきっかけになったのは
「奥様と同じ生活ができる」という点でした。
ご主人の意思決定が一番難しい点だったのですが、
とてもよい形で収まりました。
なによりご家族の献身の結果として、
新しい生活をスタートできたのは本当に嬉しいことです。
入居して2週間ぐらいが経過して、
あのご夫婦、うまくいってるかな?と思っていた矢先、
奇遇にも他のお客様が同じホームの見学を希望されたので
直接現地で確認できるかも、と思っておりました。
幸いにも見学時間が昼食タイムでしたので
あたりを見回したら、ちょうど奥様と目が合って、
「あなた、あのときの・・・」と言われて、
泣きながらお話が始まりました。
案内中だったためあまり時間が取れなかったのですが、
「ここの方はみんな良くしてくれて声をかけてくれたり
心配してくれてほんとに嬉しい」ということでした。
見学で一度しかお会いできなかったのに
自分の顔を覚えていてくださって、感謝の言葉を投げかけてくださったのは
ホーム紹介冥利でした。
おそらく、入院生活のころの不安な気持ちや、
ご家族との微妙な関係にも心労を重ねていたんだと思います。
自宅のように暮らせる有料老人ホームの価値を
再確認したすばらしい1日でした。