都内にお住まいの姉をホームにお引越しさせたいという妹さんからのご相談です。
お姉さんは90歳で要介護度1です。
まだまだお元気で一人暮らしをしているのですが、
一度転倒して救急車にお世話になってしまったことがあり、
それ以来、何かあった時のことが不安で
妹さんは施設にお引越しをさせたいと思っておられます。
でも、本人はまだまだ自分で生活するつもりがあります。
こんな時に選ぶべき施設は何でしょうか?
ご親族から候補として出てきたのが、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)でした。
当社からは、それに加えて介護付き有料老人ホームも提案することにしました。
サービス付き高齢者向け住宅と介護付き有料老人ホームの違いとは何でしょうか。
住宅型有料老人ホームというのもありますが、
これについてはこの件では当てはまらないことをのちほどお伝えします。
サ高住は、介護施設というよりもマンションを借りて住む賃貸住宅という性質が強いです。
基本的には賃貸住宅に見守りサービスと生活相談のサービスが付いているものになります。
共同の食堂がついていて、お金を払えばご飯が食べられますし、
賃貸住宅ですので自分の部屋で調理することももちろんできます。
行政サービスの使い方や病院のこと、介護のことなども生活相談のなかでお話を聞いてもらえます。
原則的には介護するサービスはついていないですので、
外部の在宅介護サービス(訪問介護やデイサービス)を自由に契約して利用します。
今回のご相談者さんは、まだまだお元気で自分でご飯も作り、自由に生活をしたいと思っておられます。
また、見守りサービスがありますのでご親族の不安も解消でき、サービス付き高齢者向け住宅はピッタリと言えそうです。
当社からもう1つの案として提案した介護付き有料老人ホームはどうでしょうか。
最初は自由度が高いからサ高住は良いといっても、
いざ介護が必要となると建物内のサービスでは満足できなくなるため、
むしろ介護サービスが初めから充実したところを選びたいというお声があります。
そんなときは介護付き有料老人ホームが該当します。
サ高住にお住まいになった後、なんらか体調が悪化したとき、
外部サービスの訪問介護では十分なサービスを受けられないために
有料老人ホームにまたお引越しされる方が多いのですね。
また、要介護度が重くなってしまった時も、それに対応して介護サービスを柔軟に対応してくれますし
施設専用の介護士さんやヘルパーさんがいつもいてくれるので、
家族のように接してくれるわけです。
これはサービス付き高齢者向け住宅とは大きな違いになります。
多少不自由だけれども引越しを一回で済ますことを選択するか、
二回引越しが必要だけれども今が自由なことを選択するかですが、
どちらも一長一短がありますね。
ちなみに住宅型有料老人ホームは、外部の介護サービスを利用したり一部施設内の介護サービスを使ったり組み合わせることができます。
要介護度が軽いうちは利用サービスが限定的なので、費用を抑えることができます。
ですが、要介護度が重くなってくると、逆に定額制である介護付き有料老人ホームのほうがお得になってきます。
ですが、住宅型も自分の部屋では料理ができません。
この点で自由度が低いうえ、ゆくゆくサービスが割高になってしまう可能性のある住宅型は
今回の選択肢からは外しています。
実際にご親族に説明をさせて頂いたところ、
最初は自由度の高さからサービス付き高齢者向け住宅を評価されていたのですが、
2回引っ越すことの欠点から、初めから介護付き有料老人ホームも検討するということになりました。
本人の意思よりも親族の負担から施設選びが決まることは大変多いです。
そのための適切な選択肢を提供していきたいものです。