数か月前よりご家族より、
「どうしても妹が不安だから今こそホームにお世話になりたい」
とのことで、
世田谷区のご家族からホーム探索のご依頼がありました。
妹は77歳の女性です。

お子様がおらずおひとりさまでしたが
ご家族思いのお姉様が2人いて、
「私たちもいつまでこうして面倒を見ていられるかわからないから
妹には早めに入居してほしい」とのことでした。

ご本人は直前まで一人で生活をされていました。
でも、短期的な記憶があまり残らず、
「ホームに見学に行くのよ」と言っても
「そんなの聞いてない」といったセリフを何度も繰り返し、
都合のよいことしか記憶に残らないようでした。

歩行面で多少不自由をされていましたが、
食事も排泄も自分でお出来になり、
日常生活はかなり安定していました。

ですが、一度衣類を燃やしてしまったことがあり
それ以来、お姉様たちは不安でいっぱいになってしまいました。

もともと集団生活や新しい行動が苦手なため、
やっと落ち着いたデイサービス通いも、
最初は大変だったとご家族もケアマネさんも言っておられました。

そこで満を持してのホーム入居のご依頼をいただいたわけです。

いつも大変お世話になっている、
とても気立ての良い施設長がいらっしゃるホームに
今回もお願いをすることになりました。

「とりあえず1週間だけ頑張ってみよう」というキーワードを
ご家族と共有することにして、
1週間の入居実績を作ることを
ご家族と本人の目標に据えていただきました。

でも、入居の当日になっても、
前日に衣服や身の回りの品などを
時間をかけて準備したはずなのに、
「今日は見学で入居は明日からだと思った」
という知恵をひねったような言い訳が出てきて、
妹さんはなかなか生活が切り替わるというイメージを
お持ちになってもらえません。
でもなんとか1週間だけなんだから、とホームの部屋で説得を続けます。

もう時間切れ、というころになって、
ホームの看護師さんが登場してくださって、
「おいしい食事があるから行こう」と言って、
お部屋でぐずる本人を食堂に連れて行ってくれました。

そのあとは施設の方の指示で、
ご家族とともにシュッと帰宅をしたのですが、
施設長いわく、思っていたよりも落ち着いてくれていたそうです。

それでも私は、
またどこかのタイミングでご本人から、
強烈な「帰りたい」という帰宅願望が表出することと思っていました。

ですが、それ以降はほとんどそんなセリフは出なかったそうです。

私はなぜなんだろうと不思議に思ったのですが、
ざっくりと言ってしまうと「住めば都」でしょうか。

子供が初めて習い事に行くときのように、
もちろん最初は違和感や緊張、ストレスがあったに違いないのでしょうが、
繰り返すほどに人は順応していきます。

幸いに大きいホームでしたので
いろんな方との接触も功を奏したのだと思います。

1週間ほど経過したいまは、
ホームでの生活には慣れたものの、
「〇〇がない」「□□をもってきて」と
家族に電話があるようです。
モノに対するこだわりはよくあることです。
幸いにも帰宅したいというセリフはほぼないそうで、
ご家族もその点はホッとされていました。

認知症という症状のいたずらがご家族を深く悩ませますが、
プロのホーム側の介護スタッフさんたちは、
見事に対処をされます。

「餅は餅屋」というにはあまりに乱暴ですが、
プロの皆さんの手を借りることで
ご家族はこの上ない安心を再び手に入れることができます。

ここぞというところでは全力で踏んばって
ホーム探しにトライしてみることがとても大事です。

認知症のかたのホーム探しも当社にお声がけください。

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