親御さんの介護でお悩みの方とお話をする中で、よく聞くご相談の一つが「親を老人ホームに入れようと思っているけど、その前に相続税のこと、何かやっておくべきですか?」というものです。

特に、これまで自宅で介護を頑張ってこられた方からのご相談が多く、「いざ施設に入る」となったタイミングで、いろんな不安や疑問が噴き出してくるんですね。相続の話もその一つ。

今日は、そんな方向けに「老人ホーム入居前に相続税対策が必要か?」というテーマで、わかりやすくお話ししていきます。

相続税って、そもそも誰に関係あるの?

「うちにはそんなに財産ないから関係ない」と思っていませんか?

実は、相続税には“基礎控除”という制度があって、ある程度の財産までは税金がかからないようになっています。2025年現在、この基礎控除は以下の通りです:

3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)

たとえば、お母さまが亡くなって、相続人があなただけなら、基礎控除額は3,600万円。つまり、相続財産が3,600万円以下であれば、相続税はかかりません。

でも、ここでポイントなのが「不動産の評価額」
実際の売却価格ではなく、固定資産税評価額や路線価で評価されるため、実感より高く見積もられるケースも多いんです。

たとえば、親の住んでいた家や土地。郊外でも意外と評価額が高くて、気づけば基礎控除を超えていた…なんてことも。

老人ホーム入居が、相続のタイミングに影響する?

老人ホームに入るだけで相続が発生するわけではありません。でも、実はこの「入居前の準備」が、将来の相続に大きく影響することがあります。

具体的にはこんなケースです:

■ 実家を空き家にする場合

親が施設に入ると、実家は空き家になりますよね。このとき、将来の売却や処分を見越して、早めに「名義の整理」や「家財の処分」を考えておくとスムーズです。

また、空き家になった実家を放置すると、固定資産税が増えたり、草木の管理などでご近所トラブルが起きるリスクもあります。

■ 財産の分け方を話し合うチャンス

親が元気なうちに「家は誰がもらう?」「預金はどう分ける?」などを話し合っておくことは、とても大切です。これを避けると、いざ相続の場面で家族が揉める原因に…。

施設への入居は、親が判断力を持っている間に冷静に話し合いができる、ラストチャンスでもあります。

事前にやっておくべき相続税対策は?

ここからは、「必要な人がやっておくべき対策」をご紹介します。

① 財産の“棚卸し”をしてみる

まずは、親名義の財産を一覧にしてみましょう。

  • 不動産(自宅・土地)
  • 預貯金
  • 株や投資信託
  • 生命保険
  • 借金やローンがあるかどうか

ざっくりでも構いません。これを出すだけでも、「うちは相続税かかりそうかも…」という目安が見えてきます。

② 贈与を検討する

「今のうちに、ちょっとずつ子どもに渡しておこう」と考える方もいますが、ここは要注意。無計画な贈与は、逆に税務署に目をつけられることも。非課税枠(年110万円)や相続時精算課税制度など、制度を正しく使うことが大切です。

できれば税理士さんに相談して進めると安心です。

③ 実家の活用・処分を早めに検討

施設に入って実家が空くなら、売却や賃貸などの活用を検討するのも一つの手です。売却資金をホームの費用に充てたり、賃貸で収入源にすることで、親の老後資金を安定させることもできます。

弊社では、不動産の売却や活用のご相談もよく受けますので、「どうしたらいいか分からない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ:相続対策は“早すぎる”くらいでちょうどいい

親が施設に入ると、介護の負担は少し軽くなりますが、別の形で「お金」「家」「相続」の問題が出てきます。

相続税は、対象になる人にとっては大きな出費になります。でも、早めに「どんな財産があるか」「何をしておくべきか」を知っていれば、無駄な税金を抑えることもできるんです。

自宅介護でずっと頑張ってきたあなたが、これから安心して親御さんを見守れるように。少しずつでも、備えていきましょう。

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