以前に相続のセミナーを行ったときにあったお話しです。

60代のご主人と奥さんが質問に来られた時の話です。

「〇〇ハウスから土地活用の提案を受けているのだが

営業攻勢がすごい。

いまあるマンションのすぐ隣で2棟目を建てようか迷っている」

というお話しでした。

既に一棟目も大手〇〇ハウスの提案により建築をお願いし、

すでに大家さんとしてうまくいっているようでした。

そのすぐ近く隣で余っている土地があり、

同じようなマンションを建てませんか、

と再び提案があったとのことでした。

立地などを確認するとそれほど悪くはない様子でした。

提案しているマンションの内容も

エリアのニーズに合致してそれほど悪くありませんでした。

このようなとき、どのような不安が生じるものでしょうか。

・エリアのニーズに対して

 自分が提供する部屋数が多すぎて店子が来てくれないのでは?

・2棟目が新しいものだから1棟目の家賃がさがるのでは?

・ローンが増えすぎて大丈夫なのだろうか?

・とにかく2棟目も1棟目と同じように

 うまく賃貸経営できるのか?

このようなことが考えられます。

サラリーマン大家さんのあいだでは

アパートやマンションをたくさん増やして経営する

「多棟化」が流行っているようですが、

特に1棟目から2棟目はやはり不安なものです。

特に隣地に同じようなものを建てるときはなおさらですね。

もちろん経験値はあるので0から1に比べれば不安はかなり少ないですが。

〇〇ハウスの営業マンに上記のような疑問を尋ねたら

どんな回答が返ってくるのでしょうか。

それは、

「もちろん大丈夫です。このエリアは人気抜群です!!」

「当社が家賃保証するのですからキャッシュは安心なんです!」

「当社の施工ですから質は確かです!

それはご自身が最もよくおわかりのはずでは」

と、2棟目の不安を1ミリもあおることなく猛プッシュです!

それは営業マンなら当然ですよね。

さて、お話しを聞いているうちに、

「この男性は実は心の中ではほぼ意思が決まっているが

背中を押してくれる人が欲しかったんだ」

とわかりました。

結局のところ、このようなときに相談できる人が

ほとんどいないんですよね。

いわゆる第三者的に公平に判断してくれる人というものが。

ネットをどれだけ叩いてもこのような問題は解決しません。

なぜなら不動産は個別性が強すぎて、

ネットの記事を読んだところで応用することができないからですね。

欧米ではこのような「セカンドオピニオン」の情報を得るには

お金を支払うというカルチャーが

出来上がっていますが、

日本では「その不安を解消する」ためだけの情報に

お金を支払うカルチャーができていないんですよね。

だからそのためだけの役者もほとんどいません。

当社でも慈善事業だけを続けていくわけにはいきませんが、

このような

「知りたいときに知ることができる環境」

というものを今後も積極的に整えていきたいと考えています。