「家族がみんな介護に疲れてきっていて
でも本人が老人ホームに入ることを嫌がっている」

そんなケースありませんでしょうか?

時々直面するこのようなケース、
ご家族は本当に苦労してしまいます。

先日もこんなケースがありました。

①Yさんのケース

Yさんは世田谷区在住の女性で、75歳と比較的若いのですが、
歩行にかなり不自由していて少し認知症の症状があります。

アパートの3Fに住んでいて独り身です。
先日も家の中のヒーターで来ている洋服を少し焦がしてしまいました。

足は手術をしたらよいと先生に言われているものの
本人がそれを拒否しています。

そして高齢の御姉様が心配をされていて、
今後は御姉様自身がフォローできなくなるので
妹本人には早くホームに入ってと促しています。

私が初めてお会いしたときに、
ご本人はとてもしっかりしていて会話もでき、
どこに問題があるのだろうという印象でしたが、
時々頓珍漢な言動があったり、転倒をしたという話を聞くと
確かにお姉さんが心配になったり
ホームを勧めたくなるのもわかります。

また、通常は娘や息子が登場して心配をするところ、
独り身でもあるため同世代の兄弟姉妹が登場するのですが、
配偶者や自分の心配もあるので、
気をかけてあげられなくなる気持ちもわかります。

現在はご家族や当社からの度重なる説明や、
候補となる施設長との面談を重ね、
ようやくホームを見に行くことになりました。

ご本人も理解は示してきつつあるのですが、
自由に一人で生活してきた分だけ
生活が不便になる気持ちも強いのでしょう。

事情が事情であるというご家族に対して、
説得するためにお伝えするポイントがあるとすれば、

・家族がもう面倒を見てあげられないと繰り返し伝える
(伝える人本人ではなく、大変な別の家族のことを思いやって伝える)
・親族だけでなく、施設のかたやケアマネジャーなど多くの関係者で説得をする

というところだと思います。

重度の認知症が発生してしまうと、虚言や暴言を吐いたり、
自傷・他傷、妄想・せん妄・徘徊など、
本当に手が負えなくなってしまいます。

背に腹は代えられず、断腸の思いで切り出すご家族も多いです。
正念場だと思って取り組んでいただきたく思います。

②Mさんのケース

最近対応をさせていただいたKさんは
両親がそれぞれに課題を抱えている長女様です。

母親は脳の病で手術をしましたが、やや軽い記憶障害が残っており
まだ病院にいますが退院が可能となっています。
父親は認知症で、一人で生活をすることができないです。

母親は自分が退院をしてももう主人の面倒が見れないとのことで、
長女様は二人ともホームへ入れたいという希望がありますが、
父親のほうが拒否をしています。

当初はなかなか話が前に進まなかったのですが、
結果的には母親のほうが入居するホームに
一緒に父親も入居する、というストーリーをご長女様がお考えになり、
いったんは「一緒に入ろう」と父親をなだめる形で
お話が進んでいます。

過去に他の方のケースでもありましたが、
「短期だから」「自宅に近いから」「デイサービスから試してみる」
といった、「とりあえず」戦略はとても効果的です。

1Fにショートステイがあるからといってご家族が本人を宥めて
その後には2Fの長期型のホームにお引越しをしたというお話も
リアルにありました。

「デイサービスから試す」という例も、日中はデイサービスがあり
夜間はその同じ敷地内にホームがあるので移動させる、といった具合です。

まず生活したり利用してみて、それに抵抗がなければ、
その延長に長期入居を用意しておくという方法が功を奏することが多いです。

大変な状況の方々は、ぜひ在宅のケアマネジャーさんや施設紹介の方と相談して、
段階的にホーム入居に結びつくストーリーを考えてみていただきたいと思います。

ご家族による対策相談もお気軽にどうぞ。

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